のん

風の丘を越えて/西便制(ソピョンジェ)ののんのレビュー・感想・評価

4.5

2016再々鑑賞


この映画、大分前に観たのに今でも強く印象に残ってます。
思い出すと何故か胸がぎゅうーっとなります。

パンソリ演者(旅芸人のようなもの)として修行と旅を続ける主人公の歌声の強さ、これがいわゆる“恨”?と思わせる哀愁。たまりません。
自然と涙が溢れて来ました。
背景は厳しい自然の風景が多く、柔らかな光のイメージは無かった。
じわじわと地の底から熱が沸き上がってくるように物語は進み、主人公の歌声も凄みを増します。

パンソリは韓国の民族芸能で、一人の歌い手と太鼓奏で語られる物語性のある演奏です。
日本の浄瑠璃に近いものがあるように思いますが、より唸ります。屋外で歌われてきたからかもしれません。力強く唸ります。
それがたまらなくぞくぞくします。

ラストは涙なくしては観られません。





下記あらすじが無いので簡単に。


孤児のソンファを引き取って育てる父(ユボン)。弟のドンホは2人が居着いた先の女の息子で母親が出産で落命後、彼らと共に生きることとなる。
物語は貧しさに嫌気が差し父親のもとを飛び出した弟が姉を訪ね歩くところから始まる、芸道と情愛の物語。

時代的にまだ身分制の名残が残っている60年代。新しい芸能とふるい芸能(パンソリ)が市中で交差するシーンが象徴的。