まさなつ

仁義のまさなつのレビュー・感想・評価

仁義(1970年製作の映画)
4.0
生誕100年 ジャン=ピエール・メルビル 暗黒映画の美 にて。

東京近代美術館フィルムセンターで映画を観るのは初めてです。
ラピュタ阿佐ヶ谷から、こちらへハシゴしました。

犯罪映画なのに、なんて静かな画なんだろう。

そう言えば「サムライ」も「影の軍隊」も「静寂」が印象深かったなぁ〜。

この監督は、余分なものを削ぎ落とすイメージがあるので、上映時間2時間20分もあるのは意外でした。その分、彼らの出会いから、ゆっくりと丁寧に描かれます。
アラン・ドロンとジャン・マリア・ヴォロンテの出会い方の粋なこと。男と男が絆を結ぶのに言葉はいらない、、とばかり。それにイブ・モンタンが加わって事を起こすだけで、ワクワクします。モンタンがライフルの練習をするシーンは、「ジャッカルの日」を思い出しました。共にプロの職人的対応がかっこいい。そういった、静かなかっこよさが詰まった映画。それこそメルビルのノワール!

彼らを追う刑事が、家にネコを飼ってて、2度も同じシチュエーションで出てくるのはおかしかった。モンタンがアル中の幻想にうなされるシーンの、爬虫類にはビックリした。この監督には珍しく余計?なシーンが挟まれますが、それも、まあ味わいにはなってます^_^

でも、やっぱり最後まで超クール!
まさなつ

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