竜平

9デイズの竜平のレビュー・感想・評価

9デイズ(2002年製作の映画)
3.1
あるCIA諜報員の任務である小型核爆弾を巡る取り引きを発端に、その諜報員に瓜二つの双子の弟が巻き込まれてしまうことに。命運は敏腕上司と素人の手に託された、はたしてどうなる、という話。スパイ的サスペンスアクション映画。

双子の片割れが巻き込まれて、しかも双子の性格は正反対で、みたいなこの設定なんかたまに見る気がする、『イーグル・アイ』がたしかそうだったかな。そんなこんなでウィル・スミスにぶたれてしまう前のクリス・ロックが主演。スタンダップコメディアンでもある彼が演じるからこその面白みというのが今作にはあるんだろうなと。ジョーク混じりで軽快に捲し立てるトーク、さながらエディ・マーフィやクリス・タッカーのような気持ち良さ、とまぁわるく言えばそこらへん被ってるっちゃ被ってるんだけども。更にはアンソニー・ホプキンス、安定の迫力と時折見せる怖演技よ。監督が『バットマン フォーエヴァー』『フォーン・ブース』などのジョエル・シューマカーで、あとジェリー・ブラッカイマー製作というのもあってなかなかテンポのいい展開。コメディとまでは言わないけどドタバタ系のやり取りと、街を襲わんとする核爆弾の恐怖、それによる緊迫感との合わせ技でとくに頭を使うことなくスイスイ見れちゃう内容。とにかく「いやぁジェリー・ブラッカイマー印だなぁ」ってな感想かな。これはいい意味でね、嫌いじゃないのよ俺。

元々IQが高いとか、設定の中に御都合主義が見えてしまうあたりは目を瞑る。そりゃ上手くいくとこはいくよね、みたいな。ただ終盤はさすがにハラハラ。あとアンソニー・ホプキンスがちょいちょいアクションしてるのも見どころ。たまにはいいよね、軽アクション映画。
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