叡福寺清子

吸血鬼ゴケミドロの叡福寺清子のレビュー・感想・評価

吸血鬼ゴケミドロ(1968年製作の映画)
3.0
恐怖の対象であると同時に人間の愚かさ醜さをあぶり出す装置,それがゴケミドロだ!こんばんわ三遊亭呼延灼です.
監督の言葉の通り,そして本作のメインテーマを明瞭化するために典型的な人間を集め,そこに異形を放り込む.ヒーローは善良で逞しい男性,ヒロインはか弱い美女,他人を犠牲にすることを躊躇わない悪徳政治家,冷酷な殺し屋,自暴自棄になった平々凡々な男性等々.いやになるほど人の醜悪さを見せつけられ,大変結構なお話であるなと感心した次第です.
68年という事でベトナム戦争が進行中.ゴケミドロの目(あるのか?)からすりゃ,同じ人間同士が殺し合う姿はさぞかし滑稽だろうし,滅ぼされてもしょうがないよねという雰囲気を漂わせているのも,美味しゅうございました.
そしていつものエンディングが,今から50年前に完成されていることを知り驚愕したことも付け加えておきます.そりゃタラちゃんも影響されるわな.