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十二人の怒れる男のadのレビュー・感想・評価

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)
4.3
密室劇としては真っ先に名作・傑作として名前が挙がる作品。

この作品のミソは評議室でたどり着いた結論が本当に正しいかどうかは明かされていない点にある。
陪審員達は最終的に全員一致で被告の無罪という結論を出すが、別に被告の完全無罪が客観的に証明された訳ではなく、あくまであの密室の中で行われた議論の中で二転三転した結果、その結論に落ち着いたと見ることもできる。

先入観や思い込みで議論することは危ういというテーマを訴えつつ、場の雰囲気によって意見が二転三転していく人の意志のあやふやさが垣間見える。

これは明らかに穿った見方なのだが、はじめに被告の無罪を主張した陪審員が実は被告の無罪を勝ち取ることに何かしらのメリットがあったとしたら…?
真実などどうでも良くて、ただ己の目的のために他の人間の意見をコントロールしようとしたのだとしたら…?

騙そうとする奴は強い意志を持って騙しにかかる。限られた時間と密閉された空間で人はどれだけ冷静に物事を考えられるだろうか。
以上、これは特に根拠の無い与太話。
だけど弁の立つ奴は……要注意。
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