「個人的な偏見を排除するのはいつも難しい。しかも偏見は真実を曇らせる。私は真実を知らないし、誰にもわかるまい。」
この映画を見て思い出したのはインドの「群盲象を評す」の故事。誰にも真実なんて分からない。にも関わらず、人は自分が信じるものを“真実”だと思い込んでしまう。そんな状況で、もう一度よく考えましょうと意見表明した陪審員8番こそ、民主主義で最も重要な人間だと思う。
むやみにアメリカを賛美するわけではないけど、こんな映画を1950年代に作っちゃう国にはどうやっても敵わないんじゃないかなとふと思った。