HidekiIshimoto

インド夜想曲のHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

インド夜想曲(1988年製作の映画)
4.0
ロマンチックなデビッドリンチ的夢幻とでもいいますか。この世は夢幻だとして、あんな悪夢じゃない方の夢幻。自分の影を追い迷い、その自分が実存してないかもしれないとか十分悪夢と言えるだろうけど、この恍惚感、なんともいえん甘美さはやっぱインドだからか。トムヒ似のジャンユーグ効果も相まって、嗚呼いつか俺も夕闇の中に追い迷い立ち尽くしてしまいたいとか思わせる。とはいえ中盤で突如現れるリアルインドの夢幻映像、少女か老婆か神か猿か何だかわからないリアルシャーマン宣託の戦慄シーン(原作通り)にはマジで吹っ飛ぶ。全体としてはまあ佳作だろうけど、俺的にあのシーンだけはどうやって撮ったのかわからないとんでもなさであらゆる映画を超えていた。