あゆぞう

父の初七日のあゆぞうのレビュー・感想・評価

父の初七日(2009年製作の映画)
3.8
3年前の今日、従兄が急死した

大きな地震があって、台湾と日本の絆を再確認した

この映画を見ることにした

劇伴が妙だったり絵のトーンの切り替えが中途半端だったり、総合的に熱量が高いとか力があるとかではないけれど、いくつかの断片が琴線に触れてくる小品

何気ない父と娘のエピソードが実によくて、思い出しただけで泣けてくる


露天商の父が亡くなり、舞台である地方独特の風習にそって葬儀が行われる

娘をはじめ彼をめぐる人々の一週間が描かれている


台湾の暮らしが垣間見える作品として面白かった

例によってセリフや挿入歌に日本語、うれしい


喪主側の立場で葬儀を経験したことがあるのだけれど、通り一遍の日本のやり方でもそこそこ疲れる

作品で描かれている葬儀はやることが比べ物にならないくらい多い

自分の経験から、葬いにまつわるあれやこれやは遺族が悲しみに浸る時間を作らないための先人の知恵ではないかと思う

ひとしきりの段取りが終わったあと、ふとした瞬間、「はずみ」のように悲しみは襲ってくる

ラストシーンであえなく落涙
あゆぞう

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