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父の初七日のcoroのレビュー・感想・評価

父の初七日(2009年製作の映画)
3.9
突然訪れた父親の葬儀のために帰省する主人公。主人公とその家族が父を送り出す日までの7日間を、家族の悼みに寄り添いそっと優しく見守るように描かれている。

故人を送り届けるために行われる(仏教に対する観念が覆される)道教式の葬儀が風変わりで、どこかお祭りのようにも感じるが、日を追うごとにそれらが何か神聖で厳粛なものに見えてくる。
葬儀も終わり家路へと向かう途中で、堰を切ったように溢れ出す、娘の父を偲ぶ気持ちに想いが重なり涙が止まらなくなってしまった。

愛する人との別れがどんなに辛くて悲しいものなのか、慌しく執り行われる葬儀に追われて、どこに逝くのかも分からないまま愛する人と別れなければならないということを最近初めて知った。
その悲しみが後から遅れてゆっくりと満ちてくる、ということもそのとき初めて知った。


でも、どこへ逝ってしまったのか
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