映画浪人

バルタザールどこへ行くの映画浪人のレビュー・感想・評価

バルタザールどこへ行く(1964年製作の映画)
3.5
地獄に生まれた小さき命

トラウマ映画を挙げるとするなら、真っ先に思い浮かぶのがこれ。個人的にこれより悲しい映画は無いと思うんだ。

登場人物の誰にも共感できない。
抵抗どころか喋ることもできないロバに対して人間の所業が鬼畜過ぎる。正に地獄。
バルタザールを虐めた人間を一人ずつ木っ端微塵にしたくなる。映画だとたかをくくっていても本当に辛い

ロバのバルタザールが可愛くて可愛くて最後まで観てしまうが幸せになってほしいという観客の細やかな願いは叶うことなく…

動物から見た人間はこんなにも愚かで見苦しいのかと思うと自分が人間であることが恥ずかしくなる。それぐらい観ていて追い詰められる映画。もう観たくないけどバルタザールの可愛さ目当てでまた観てしまうかもしれない。けどやっぱりガッカリするんだろうな。
何にせよ、この映画が持つエネルギーは本物で、真に迫るものがあった。
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