人生はつらいよ。
バルタザールと名付けられたロバから見た飼い主たちの悲喜劇。
とはならず「喜」ってものは皆無でひたすら悲劇。
「悲劇」みたいに感情揺さぶるもんじゃなくて「世の中ってそんなもんやろ」と突き放して冷徹に見つめるさまは天晴。
飼い主たちはほとんど身を滅ばし、ロバはムチでしばかれ、尻をけ飛ばされ、しっぽを火あぶりにされる…
ひたすらいいことが起こらない話の運びに、これはきっと何か意味があるはすだと勘繰りたくなるのはわかります。
メインの飼い主となる少女に元ゴダールの奥さん・RIPアンヌ・ヴィアゼムスキー。
まあ、お綺麗なんですけど見事なまでの「不幸顔」。あんまりにも「不幸顔」過ぎて途中ロバにも見えます。
アンヌ・ヴィアゼムスキーにまとわりつく不良は悪魔か災難なのか。
「ドナドナ」という歌がなんでか思い出される。