2002年のビートたけし主演、ドラマスペシャル「鬼畜」を微妙に覚えてました。覚えてるっていっても祭りで娘を置き去りにするシーンだけですけど。子供ながらに結構怖かった思い出。
どんなんだったか思い出したくて色々調べたらこの映画が元だったのです。
こっちは映画で監督野村芳太郎、主演は緒形拳さんです。
いやーとにかく怖かった。
鬼の形相で子供にご飯を無理矢理押し付ける岩下志麻さんには鳥肌が立ちました。
全ての元凶である竹下を演じる緒形拳さんも鬼畜と父親の間をさまよう気が弱い男を熱演。
終盤、長男と竹下のロードムービーみたいになるんですけど。その旅館での竹下のセリフ。一気にこの男に感情移入させる緒形拳さんの演技力は素晴らしいです。
ロケーションも美しく、能登半島の断崖絶壁での画面の構図や海、夕陽の美しさがひときわ目立ってます。
ただそこで行われるのは鬼畜の所業。
ラストはほんと涙です。どんなことされても子供にとって父親は父親なんだなぁ。
後味は決して良くないけれど心揺さぶられる映画でした。