教授

デビルマンの教授のレビュー・感想・評価

デビルマン(2004年製作の映画)
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「駄作」として語り継がれる本作…だが。
巷間言われている通り。
俳優の演技(映画って不思議なのは誰かが極端に良くないと、脇を固めるベテランたちも概ねダメになるという連鎖…たぶん演出がダメなのだろうが)。
脚本や演出。カット割。特撮。
なにひとつ技巧的には良いものがなく、特に駄作呼ばわりされているのは、俳優たちの演技に因るところが大きいと思う。

なにひとつ良いところがない、はっきりと駄作であると、断言した上で。
現在の映画状況の中でテーマとして盛り込まれている「多様性」についての物語ではあるし、当時としても「X-MEN」を強く意識したつくりになっている。
そもそもそこを目指したのだから、それはこうなるわなぁというのは頷けなくはない。

駄作と呼ばれることに異論はないが。
面白おかしく駄作の代表作と呼ばれるほど、一方で本作はおかしなことを描いているわけでもなく。
むしろその先進性に対して恐ろしく技術が追いつかなかった違和感が、そうさせるのではないかと、無理やり擁護している気もするが感じたりはする。

無論、テーマを台詞で説明してしまう割に、それらの演技力が伴っていないことのバランスの悪さや、不要な描写、ノイズを生む設定などとにかく気になることは多い。
ただ、このタイミングで観てしまうと、「コロナウィルス」に因る日本のパニック具合を見ていると、感情移入もできるし、笑えないのは映画よりも現実の方ではないかとゾッとしてしまう。
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