ロマと呼ばれる人々がいます。
かつてインド北西部から放浪し、ギリシャやルーマニアに定住した人々です。ジプシーと蔑まれた彼らは、独自の文化や言語を貫いたため、しばしば過酷な差別を受けていました。
ガッジョ・ディーロはまさに掘り出し物の映画です。
とんでもなく僻地の寒村、通じない言葉、なぜかわらわらと集まってくる村人たち。
父親の愛した放浪恋歌の声の主を探すため、ルーマニアの片田舎にやってきたフランス人のステファン。
ガッジョ・ディーロ(馬鹿なよそ者)が来たと警戒されますが、呑んだくれた村長のイジドールに気に入られて、居候することなります。
舞台となったルーマニアは、19世紀半ばまでロマの人びとに対する奴隷制度を承認し、動物にさえ劣るとして最下層の扱いをしてきました。
そんな悲しい歴史を感じさせつつも、物語は底抜けに明るくて瑞々しく、まるで自分が旅をしているかのような気持ちにさせてくれます。
知名度だけがいい映画の物差しじゃない!そう思わずにはいられないガッジョ・ディーロはすごくオススメです!
今ならツタヤの準新作にある、と思います!