ナポリのアデリーナは情熱に満ち溢れる強き母、人々に支えられ貧しくとも漲るナポリの住人らに愛される破天荒な聖母。
ミラノのアンナは裕福で贅沢三昧な高慢ちき、人々を惑わし振り回し我が道を行く小悪魔。
ローマのマーラは母性を擽る成熟さを醸し出し、大らかな包み込むような美しき女神。
3つの物語をソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニの名コンビが、ナポリ・ミラノ・ローマの街で全く違う役柄で男女の物語をコミカルに描く。
個人的にはローマでのアパートの上層階のテラスから見下ろす広場の構図と雰囲気が好みで、夏から秋へ変わる心地よい夕闇の微風はマーラの髪を撫で広場の人々は虚ろな影で揺れ動く。
例え世界が変わったとしても、昨日も今日も明日も自分自身は大して変わらないだろう。
変えたいのか変えたくないのかも分からず日々淡々と生きているかも知れないが、生きているだけで人は何かに触れ何かを感じて死ぬまで何かを探し求め生きている。
昨日の風を寄せ集め、今日の風は存分に触れ、明日は明日の風に身を任せればいい..★,