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名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)のbackpackerのレビュー・感想・評価

2.0
◾︎劇場版名探偵コナン第15作

【作品情報】
公開日   :2011年4月16日
作品時間  :109分
監督    : 山本泰一郎(総監督)、静野孔文(監督)
製作会社  : 小学館、よみうりテレビ、日本テレビ、小学館集英社プロダクション、東宝、トムス・エンタテインメント
脚本    :古内一成
原作    :青山剛昌
音楽    :大野克夫
撮影    :野村隆
配給    :東宝
主題歌   :『Don't Wanna Lie』(B'z)
出演(声) :高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也、山口勝平、茶風林、緒方賢一、岩居由希子、高木渉、大谷育江、林原めぐみ、松井菜桜子、湯屋敦子、他

【作品概要】
劇場版シリーズでは珍しく、冬の雪山が舞台となった作品。
劇場版第8作から監督を務めた山本泰一郎は総監督に就任し、静野孔文が次なる監督となった。

【あらすじ】
地下鉄開通式典に出席した都知事を狙った爆弾テロが発生。間一髪に大惨事を防いだコナンだったが、このテロは序章に過ぎなかった。
所変わって、雪山を訪れたコナン一行。そこで彼らは、ダムに沈んだ山村で暮らしていた者達の確執、8年の昏睡から目覚めた少年、宝石強盗と交通事故等、いくつかの事件に直面する。
それぞれの謎を解き明かしていくコナンだったが、爆弾によるダム決壊の脅威が迫りつつあった……。

【作品感想】
まず、アバンタイトル部。地下鉄の爆破を防ぐシークエンス。
ここがもう、とんでもない。ありえないの度合いが段違い。凄まじいフィクション性の暴風雨。コナン少年の日常生活は、常に犯罪の可能性を探知し続け、その解決のためには自分の命を平気で賭ける(その際に発生する危険行為は完全に棚上げ)ものであるということを、短い時間に端的に表現しています。
正直、これ以上ないほどコナンワールドをよく表した導入部でしたが、いかんせん、ここの圧が強過ぎたかなぁ……という感覚があります。
特に、地下鉄トンネルが爆破され、真下にある地下道に電車が落ちてくるシーンは、力の入ったアクションでしたねぇ。2012年公開の『007 スカイフォール』を思い出しました(本作の方が先に公開されてます)。共通のオマージュソースがあるんでしょうけど、パッと思いつかないなぁ……。
ともあれ、この導入部で描かれた、爆発含めたアクションの勢いと、コナンの常人離れした身体能力・洞察力・判断力・決断力・幸運力を見せつける展開は、その後の雪山での出来事を霞ませるだけの熱量を持っていました。

クライマックスで描かれるダム爆破は、そもそも犯人がそのような行動をとった理由が浅慮遠望過ぎて情けなくなります。なんだこの犯人の短絡ぶりは。他の手段を取れ。
また、決壊し押し寄せる濁流への対応(コナンが一人で文字通り突っ走り、雪崩を起こして水の流れを変えようとする)に対する周囲の反応も、かなり恐ろしいですね。
冒頭もクライマックスも、幼い少年の超人ぶりを、その場の全員が受け入れ過ぎている事が悪目立ちしている印象です。こんだけ破茶滅茶なことしてるのに、みんな当たり前に受け止め過ぎやろ……。

とまあ、毎度ながらフィクションラインが青天井で上昇し続けていると再認識させられる、とんでもストーリーでございました。
蘭ねーちゃんは、全ての物事を新一と結びつけ過ぎだゾ。脳のお花畑回路が人より太く成長してるのは間違いないネ。
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