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カールじいさんの空飛ぶ家のみかんのレビュー・感想・評価

カールじいさんの空飛ぶ家(2009年製作の映画)
4.0
78歳のおじいちゃん、カールが亡き最愛の妻との冒険の約束を果たすために、思い出の詰まった家に沢山の風船を取り付けて空を飛び、壮大な旅に出るハートフルファンタジーアドベンチャー。

冒頭15分くらいの、カールと妻の幼少期から現在に至るまでの回想が秀逸。

冒険好きの2人の出会いと結婚。

子供を望んでも授かれなかった悲しみ。

それを乗り越えて、愛情に満ちた素晴らしい夫婦生活を送った2人に思わず号泣でした。

風船で旅立つシーンや、南米の滝のアニメーションの美しさは圧巻。

風船で浮かせた家から伸びるホースを引っ張って、一生懸命家を運ぶおじいちゃんと、ボーイスカウトの少年と、ダチョウみたいな鳥と、翻訳機付きの首輪をつけた謎の犬との冒険って、書いてて何だかもうよくわかんないくらいw予想のつかない展開の数々で面白かったです。

終盤のバトルや結末には考えさせられました。

大切なものをを大切にし過ぎて固執するあまり、自分を閉じ込めてしまってたカールの再出発。

大切な思い出は、自分を過去に縛り付けるものではなくて、いつだって未来の自分を生かすため、開くために心の中で輝き続けているものなんだなと思いました。

エンディングも見事な"着地"で、夢や友情、そして今自分にとって大事にすべきものは何なのか、大切な過去の上手な片付け方、生かし方など色々考えさせてくれるメッセージ性の深い作品でした。


★カールは78歳のおじいちゃん。風船売りの仕事も引退し、亡き妻との思い出がぎっしり詰まった大切な家で一人暮らしをしていた。

家の周りは再開発工事の真っ只中で立ち退きを迫られているが、頑なに拒否。

しかしある日、不幸にも思いもよらないトラブルが起きて老人ホームに強制収容されることになってしまう。

追い詰められたカールに浮かんだのは、諦めてしまった妻との「いつか南米の秘境にある伝説の滝を一緒に見に行く」という約束。

意を決して、家に無数の風船をつけて約束を果たすため大冒険へ旅立つ。

そこでは、思いもよらない出会いが待ち受けていて、、。
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