イチロヲ

ある日どこかでのイチロヲのレビュー・感想・評価

ある日どこかで(1980年製作の映画)
4.0
昔の舞台女優に一目惚れした青年が、彼女に会うことを目的とした、タイムトラベルを試みる。68年間という歳月を超えた大恋愛を描いている、ラブ・ロマンス映画。

主人公が見ず知らずの老女から「私を捜してちょうだい!」と言われて、懐中時計を受け取るところから物語が開始。冒頭の掴みにインパクトが凝縮されており、過去の出来事へと遡っていくドラマ展開になっている。

タイムトラベルの方法がアレなため、「全部妄想世界じゃないの?」とツッコミを入れたくなるが、そこは大人の対応で横に置いておくべき。何よりも、ケレンミを堪能することができるので、細かいことは気にしない。

「未来から来ました」と素直に言えないもどかしさが扇情的に描写されており、登場人物の機微を汲み取るほど、胸が締め付けられる。「恋愛と狂気は表裏一体」「成就と死地は表裏一体」が巧妙に描かれている、傑作メロドラマ。
イチロヲ

イチロヲ