yukihiro084

ある日どこかでのyukihiro084のレビュー・感想・評価

ある日どこかで(1980年製作の映画)
4.0
クリスファー・リーブは、
車椅子になっても、変わらず
ヒーローだった。
そして彼のことを思うと、
心がじんわりするんだ。
彼の素晴らしい人間性や、
親友ロビン・ウィリアムズとの友情、
アカデミー賞でのスタンディング・
オーベーション。

スーパーマンで国民のヒーローになった
クリスファー・リーブは、
落馬が原因で首から下が麻痺してしまい、
車椅子生活となった。治療やリハビリに
専念するため俳優を引退した
クリスファーは、自分と似た境遇の
人たちの自立を援助するために運動を
し始めた。そこには常に、
ロビン・ウィリアムズがいた。
ジュリアード音楽院からの大親友の2人。
クリスファーの事故の時真っ先に病院に
駆けつけたのはロビンだった。その後も
精神的に金銭的にサポートしていた。
ショービジネスの世界に復帰した矢先
クリスファー・リーブは心不全で
たった52歳で逝ってしまう。
弾丸も跳ね返していたヒーローなのに、
呆気なく逝ってしまった。

(ある日どこかで)を観る。
すごい昔一度観たことがある。
クリスファーは元気だった。
この時点でグッときてしまう。

リチャードは若き劇作家。
長身でイケメン。ズルいほどのイケメン。
彼は歴史あるホテルに飾られていた
ある女優の写真に一目惚れする。
導かれるように(時間旅行のやり方)を
知ったリチャードは、
70年前の世界の(彼女)に逢いに行く。

リチャードの相手を演じたエリーズの
ジェーン・シーモアがとてもいい。
クリスファーと2人とも美男美女なので、
ストーリー云々の前に、ずっと2人を
見ていられる。

実は新作前の(ターミネーター)一作目の
レビューを書こうと思っていたが、
なんだ、世の女性は、素性の知れない
イケメンに弱いのだなぁ、とひとりごちる。

エリーズが、運命の恋を自覚し、
恋するひとりの女性になってゆく表情や
目の輝きがいい。クリスファーの
ウィットやユーモアのある表情や動きも
いいんだよね。

そして、キスシーン。うん、キスシーン。
見つめあってから、ゆっくり。
優しく触れる感じ。距離は、心は、
戸惑いながらもゆっくり近付いてゆく。
戸惑い、恥じらい、喜び、焦ったさ。
このキスシーンの2人は素晴らしい。

音楽もいいね。ジョン・バリーのスコア。
そしてラフマニノフ。

(時間旅行)は簡単には出来ない。
ある(やり方)があるのだか、
この(やり方)が終盤効いてくる。
あぁ、と、こちらも声が出る。

麻痺から解放されたクリスファーと
病気から解放されたロビンは、天国で
笑顔で語らっている姿を想像する。
また、グッときてしまう。

そんなバックストーリーなど知らずとも
映画は楽しめる。楽しむものだと思う。
でも、40年前の映画の主人公が
70年前に時間旅行をしたように、
40年後の現代の僕らにも逢いに来てくれる。
ふと、その年月に想いを馳せても
良いのかなって思う。その年月を
噛みしめるのも映画の楽しみだと思う。
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