ロビン

スリング・ブレイドのロビンのレビュー・感想・評価

スリング・ブレイド(1996年製作の映画)
4.1
“精神病院帰りの知的障害を持つ元殺人犯カールと父親のいない少年フランクの心の交流を描いた作品”というあらすじを軽く見ただけでハマる予感しかしなかった。
結果鑑賞して大正解!  
変な意味でなく知的障害を持つ者が登場する作品には、名作が多いと個人的には思っている。
例えば『フォレスト・ガンプ』『アイ・アム・サム』『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』『チョコレートドーナツ』等々。。
これらの作品に匹敵するぐらい良かった。

何より知的障害を持っているとしか思えない、ビリー・ボブ・ソーントンの演技が素晴らしい。
劇中に少年フランクから「話し方が好き」と言われるカールの喉を鳴らす独特な喋り方は、最初は違和感があるものの段々と聞いているこちらも、不思議と心地良くなってくる。

結末は何となく読めるけれど、そこまでの過程が非常に秀逸な作品。
カールとフランクとその周辺の人物が心を通わせていく様子がとっても良くて、深く心に染み渡っていく。
最初から最後までゆったりと時間が流れて行く感じが心地良かった。

そしてカールの周りに良い人ばかり集まるのは、きっと彼の人間性が心優しいからなのかな。
ただ一人のクソ野郎はフランクの母親リンダの恋人ドイル!
ただこのクソ野郎が本当にクズなのかってところが問題。
いやクズでクソ野郎なんだけど〜笑
その描写がちょと弱い。
この作品の結末を考えるともっともっとクソ野郎に描いて欲しかった。。

カールとフランクの沁みたセリフ。

カール
「子供はいいことだけ考えてればいい」
「君たちを傷つけない聖書に手を置いて誓う」
フランク
「父さんはいい人だったいい人はみんな先に死んでいく」
「もう疲れたよ子供なのに変だろ」

カールが勤めていた修理屋の店主のセリフ。
「鍵を渡さなかったのは人として間違っていた、長い間閉じ込められてたんだからな自由に出入りしてくれ」


【ネタバレ】
  ↓




クソ野郎のドイルからフランクとリンダを守るため、母親を殺したスリング・ブレイドを研ぐカールは達観しているようでとっても悲しくなる。。
でもクソで最低な父親を赦したように、多分自分を赦しているんだろうなと。。
ロビン

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