鳩摩羅什

ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポの鳩摩羅什のレビュー・感想・評価

4.0
公開:2009年
原作:太宰治
監督:根岸吉太郎
主演:松たか子、浅野忠信
出演:広末涼子、堤真一、伊部雅刀
受賞:モントリオール国際映画祭監督賞
日本は「間=沈黙の文化」であることがよく分かる作品。
ロジックを組み上げていく、すなわち言葉を積み上げていくのが欧米の文化だとすれば、日本はその逆で、いかに言葉を抜くかに価値を置く文化である。足し算の文化と引き算の文化の違いと言っても良い。
日本文化が「間=沈黙の文化」だとすれば、その空白を音楽で埋めることもしない。そこに日本映画の独自性がある。小津安二郎の『東京物語』はその典型か。小津に比べれば、黒澤明の『七人の侍』は欧米的な作品と言えるのではないか。
そしてこれはおそらく本人は喜ばないだろうが、松たか子は不幸な女の役がよく似合う。
鳩摩羅什

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