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男はつらいよ 奮闘篇のぉゅのレビュー・感想・評価

男はつらいよ 奮闘篇(1971年製作の映画)
3.9
2020年 鑑賞
BSテレ東にて、テレビ初放送の4Kでらっくす(4Kデジタル修復版)での一挙放送にて。9/50作目。

冒頭の集団就職の若者たちに説いた言葉が刺さるねぇ〜。で、あの電車に乗るんだった、で笑った!緩急つけているのが、男はつらいよだね!
OP終わると、突然の菊さん(ミヤコ蝶々さん)。で、1作目のマドンナの冬子さん(光本幸子さん)も登場。しかも子連れでも登場。その他の歴代マドンナの名前も登場して、時の流れを感じる!菊さんは早とちり。さくらが寅さんの妻で、満男が孫!とんだおっちょこちょい!でもさくらは綺麗だって、テヘヘ!また、菊さんがとらやを去り、寅さんの話をしていると、間の悪い時に寅さんは帰ってくる!これも定番!
寅さん、菊さんに会いに行く。さくらに連れられ、渋々。案の定寅さんと菊さんは親子喧嘩!寅さんも嫁探しの旅へと飛び出す!
嫁探しの旅へ出た寅さんは、本作のマドンナ・太田花子(榊原るみさん)と出会う。花子は軽度の知的障害を持ち、故郷の青森から出稼ぎに上京してきていた少女。花子を気にかけている寅さん。寅さんの目には涙... でも寅さんは花子を気にかけ過ぎて... 花子は上手く世間と浸透していかない...
突然の花子に求婚される寅さんは涙し、更に花子との結婚を意識するように... 花子の担任の教師・福士先生(田中邦衛さん)が柴又に現れ、花子を迎えに来て... やはり現実の大きな大きな壁が寅さんを阻む。この感じが今までのシリーズとは違う!冒頭の菊さんとも繋がる感じが...
最後の寅さんは元気そうだ!おばあちゃんたちへの心遣い、死ぬわけねぇって言った寅さんの笑顔。やっぱり笑顔の寅さんは最強!自殺なんかしないくらい弾けた笑顔が一番!

福士先生を演じた田中邦衛さんは、雰囲気がいい!いい風貌がよくわかる。花子が惚れているのがよく分かる!そして、花子と出会ったラーメン屋の店主は、落語家の柳家小さん師匠で、劇中でも落語家らしい名調子があった!山田監督は小さん師匠に新作落語を提供する仲だったらしい。今回もいいキャストさんたちだ!

“わたしの寅さん、ぼくの寅さん”に寄稿された柳家花緑さん(落語家)。渥美清さんが「寅さんらしさ」と生涯格闘された俳優さんで、大変なご苦労をしたと...でも観ているこちら側には、そのご苦労を感じさせない。これは奇跡のような凄いことだと語っていらっしゃる。私もプライベートでも寅さんとしていたというエピソードを聞いたことが多々ある。だからこそみんなが渥美さんも寅さんを愛し続け、みんなの心に寅さんはい続けているんだと思います。

996(20-128)
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