もりりた

告白のもりりたのレビュー・感想・評価

告白(2010年製作の映画)
4.5
中学校の終業式、担任の森口が語り始めた娘の事故死。その真の死因は他殺で犯人はこのクラスの中にいると話は続く。無感情に喋りまくり「どっかーん!」な先生や次々にフォーカスする人物を変える展開など見せ方が特徴的。でも演出に負けないくらいドラマも濃い!ノンストップで明かされる真実に目が離せなくなる映画😳

生徒のやんちゃ具合は過剰気味だけど、その時期ならではの同調感や不安定さがよく表れてる。温度差ある担任に即座に適応できるズル賢さも然り。修哉や美月のようなしっかり話を聞いている生徒こそ本質は扱いづらいという点も共感できて、自分の中学時代が思い出された笑

修哉の動機である母親との繋がりの様に、裏にある個々の気持ちがしっかり描かれていて惹きつけられた。行動の良し悪しはともかく、奥底にある愛情を切望する純粋さが伝わり「何か助ける余地はなかったのか…」と同情させられた。直樹が不潔さに生きている実感を得ていたのは意外だったな💦

勧善懲悪的な大筋だけど、ラストの森口の涙から失ったものは返らない途方の無い悲しみが伝わってきた。「相手の気持ちを考え嫌がることはしない」教科書的なメッセージの実感は薄いが、誰もが大事なものを抱えていて、一方的に奪われてはならない理由を改めて認識できた。悲劇を目の当たりにして想像力を強化する教材の様な映画。多くの人に見てほしいと感じました🤔
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