アラシサン弐

告白のアラシサン弐のレビュー・感想・評価

告白(2010年製作の映画)
4.0
原作を読んだのが当事者の中学生たちと同じ年齢のときで、自分とは違う倫理観の存在を見せられてかなり衝撃を受けたのを覚えてる。

扱ってるモチーフは誰が観ても胸糞悪いものでありながら、結末を知っててもかなり面白い脚本。

冒頭の告白から次々に起こる悲劇は、集団心理や人間の弱さ、精神的な幼さから来るもので、命の価値以上に人間の脆さを加害者だけでなく観客にすら体験させる。

このエクストリーム道徳授業を受けてものともしないサイコパスの加害者に対して、大人の力であっさりと押さえつけて、加害者にとってある意味では死ぬことや刑務所に入ることより恐ろしい目に遭わせるのが不謹慎なカタルシスを生む。

先生をただの「サイコパスを粛清するヒーロー」にせず、正しいかどうかは置いて、教育者と復讐者の両方の思考を持った人間として暴れさせるのが秀逸だった。

韓国映画みたいな生々しさも纏っていながらも、謎にミュージカル風になったり、人を食ったようなフザけた演出になったり、テンポが良くずっと観ていられた。
集団心理の象徴なのかAKB48の場面とかも皮肉を感じる。

生徒の中に能年玲奈がいるという。
アラシサン弐

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