シャトニーニ

告白のシャトニーニのレビュー・感想・評価

告白(2010年製作の映画)
3.7
ある事件の遺族と被疑者の復讐劇、だけとはいいきれないフクザツなサイコサスペンスもしくは人間ドラマ。
いくつかの事件がモチーフにされているので90年代〜10年代を生きた人には社会の走馬灯のように感じるかもしれません。

全体的に見ると嵐のように起伏ある物語ですね。
中盤で熱血先生の強烈キャラと生徒が唐突にthat's the wayを踊り始めるシーンに少し明るさを覚えたとおもえば
少年法や後天的免疫不全症候群に対しての偏見までをも考えさせてくれるいたって真面目な映画。
暗く鬱々とした日常、どことなく似たテイストの「リリィシュシュのすべて」やKinKi Kidsが出てたドラマであった「人間失格」を思い出させるシアン色の世界観でした。
絡み合うそれぞれの運命に、レディへ(Radiohead)の陰鬱な挿入曲がもう最高に気分を沈めてくれる。

爆発しそうな、はちきれんばかりの感情を持った登場人物が何人もいる中で主演の松たか子の、導火線に確実に火を付けるような演技にヒヤリとします。修羅場多いので、演じた生徒たちとのオフショット見て和みたい。

タイトルから恋愛ドラマを連想しますが、もっとディープな何かが描かれているので、カップルで見るのは非推奨ですね。