B5版

告白のB5版のレビュー・感想・評価

告白(2010年製作の映画)
2.9
飽きずにさらっと見れるエンターテイメントです。
一人称の独白がほとんどを占める映画で、興味を惹き続ける絵と展開が作れるのはさすが中島監督。
特に序盤の森口先生の独白部分は
かなり長いのですが、抑揚のない、でも聞かせる力のある声の演技で物語の導入部分として完成度がかなり高くて面白いです。
しかしこの映画のピークはここで終わり。
小説からしてそうですが、第1章が完成されすぎてるので、正直第2章以降は蛇足に見える。

湊先生の書く大人、とりわけ今回の森口先生は、仕事として生徒を接するドライな面と、個人として対等に一線を引いた丁寧な対応を築く生真面目な部分がキャラクターとして魅力的でしたが、
AくんBくんはじめ生徒の描写はなんというか全体的に変にテンションが高くて嘘くさく、発狂シーンなどを挟むと途端にしらけてしまう。
演技指導の問題なのか…?
単純な属性に当て込めたような生徒描写は見るに堪えないが、
木村佳乃の演じるバカ親や、岡田将生のウェルテルなど周りを固める大人側は皆はまり役だったので、これも味?

渇き。の方が振り切れてて好みです。
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