ししまる

GODZILLA ゴジラのししまるのレビュー・感想・評価

GODZILLA ゴジラ(1998年製作の映画)
3.0
◼️概要
1998年のSF。東宝の「ゴジラ」をハリウッドで製作。フランス領タヒチの環礁で1968年、フランスが核実験を行ったことでイグアナの新種が誕生。時は流れ、タヒチ近海で日本の漁船が襲撃され、保険調査員を装うフランス対外治安総局の諜報員ローシェは、生存者から「ゴジラ」との言葉を耳にする。一方、生物学者ニックはパナマで巨大な生物の痕跡を見る。その後、ゴジラはニューヨークに上陸、米軍は陸海空から攻撃する。
■キャスト
ローシェ:ジャン・レノ、ニック:マシュー・ブロデリック
■メモ
製作会社トライスターは当初、ゴジラの製作権を買い取り、東宝にゴジラを作らせないとの条件を提示したが、東宝は最終的にキャラクターの出演料を受け取り、モスラやスタッフ、俳優は貸さないことになった。ローランド・エメリッヒ監督がイグアナをモチーフにゴジラを考案。プロダクションデザイナーは「中途半端にアレンジを加えるとオリジナルに失礼だと考え、全く新しいものにした」。東宝側は、デザインにショックを受けたという。エメリッヒは後に「ゴジラが人を食べない、など細かいルールを提示され嫌気がさした」(劇中で食べるのは魚)と発言している。 製作費1億3千万ドルに対し、世界興行収入3億7900万ドル。だが第19回ゴールデンラズベリー賞で最低リメイク賞。着ぐるみが基本だった日本版に比べ、CGとロボット技術で生物感を強調するなどした結果、デザインやキャラクターが変わり、旧来のファン層はイメージが壊されたと不満らしく、続編企画はなくなった。
◼️感想
ほぼジュラシックパーク。東宝の注文で背びれを2列から3列にするなど修正されたらしいが、どう見てもゴジラには見えない。ゴジラのキャラに関しては、1954年の第1作以降しばらくは悪役だったのに対し「三大怪獣 地球最大の決戦」(64)あたりから正義のヒーローとなり、平成シリーズでは再び悪役と変遷しているので、本作の位置付けも気にはならない。まあゴジラではないモンスターパニックと考えれば、酷評されるほど悪くない。ジャン・レノ演じる諜報員やニューヨーク市長のキャラも面白いし。ただ「着ぐるみの怪獣映画には全く興味なかったが、仕方なく受けた」「いい加減な脚本とデザインを提出したらゴーサインが出てしまい、仕方なく撮影に入った」とエメリッヒが後年のインタビューで語っているのを見ると、褒める気は失せる。最後はなんかゴジラかわいそう。
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