七沖

GODZILLA ゴジラの七沖のレビュー・感想・評価

GODZILLA ゴジラ(1998年製作の映画)
3.8
〝人類に打つ手は無い〟
賛否両論…というか、否定意見が大多数の問題作。だが、割と好きな作品だ。地味にジャンレノを初めて映画館で観た作品でもある。

仏領ポリネシアでの核実験後…日本の漁船が巨大な何かに襲撃され、唯一生き残った乗組員は「ゴジラ」という謎の言葉を残す。生物への放射能の影響を調査していたニックは、米軍の要請で漁船を襲った巨大生物を追う。その足跡は徐々にアメリカ本国に近づいていき、ついにマンハッタンにその巨大生物が現れる…というストーリー。

長雨の時に見たい映画を3本選ぶとしたら、『雨に唄えば』『言の葉の庭』、そして本作『GODZILLA』だ。
雨の日が続くニューヨークに、突如として巨大生物GODZILLAが現れる!釣りから始まる上陸シークエンスは一見の価値あり。
姿形はどう見ても日本のゴジラではないが、新しい解釈やアレンジは大好きなので、あまり気にならない。それよりは、迷路のような摩天楼という今までにない舞台を、蜂の大軍の如きアパッチに追われながら駆け抜けていくバトルシーンに注目したい。明らかに今までのゴジラでは実現できなかったシーンで、新しいゴジラを作るぞ!という勇気を感じる一本だ。

ストーリーも悪くなく、誰もが言う通り『GODZILLA』というタイトルでなければもっと世間の評価が上がったかもしれない。だが、このタイトルでなければそもそも観客を動員できなかった可能性もあるわけで、そう考えると本当に不遇な作品だと思う。
踏まれたと思ったらセーフでした、アパッチとの摩天楼チェイス、マディソンスクゥエアガーデンがジュラシックパーク化、頑張れオニール軍曹、世紀末的なBGMなど、全部引っくるめて自分は大好きな作品だ。
七沖

七沖