Godfather

女の子ものがたりのGodfatherのレビュー・感想・評価

女の子ものがたり(2009年製作の映画)
4.2
西原理恵子の自伝的漫画の映画化。

山と海の接したのどかな風景がとてもノスタルジックだ。
同時に田舎の閉塞感というか、いじめ・貧困・DVにあふれた重苦しい世界でもあって、見ていて息苦しくなった。

母の再婚でこの田舎町に引っ越してきた小学生のなつみは、きみことみさと友達になる。3人とも貧乏だったりいじめられてたり複雑な家庭環境だったりするけど、前向きに明るくいきている。
でもきみことみさは、子供の頃からどこか諦観を持って生きてる感じ。

高校生になっても3人は友達だったが、きみこはチンピラみたいなDV男に尽くすようになるし、みさもまああれだし、孤高ななつみのカッコよさがどんどん際立つ感じ。
なつみが時折言う鋭いセリフもいいのだな。
「あいつら、カッコ悪いよ。きいちゃんもカッコ悪いよ」
「何も見ないで、何も聞かないで、何も知ろうとしないことはとても恥ずかしいことでしょ」
とかね。高校生時代のパートはどっぷりなつみ視点で見てた。
そのせいもあって、喧嘩のシーンは突然切れたきみこの意図が(終盤を見るまで)わからなかった。

で、現代のパート。
なつみの小学生時代(森迫永依)→ 高校生時代(大後寿々花)は自然につながる感じだけど、大人のなつみ(深津絵里)はちょっと変わりすぎじゃない?やさぐれすぎというかw まあサイバラっぽいキャラになったとも言える。
西原理恵子本人が近所のおばさん役で出ているのも地味な見どころだ。

最近のサイバラは高須院長の愛人だったりヘイトデモに一緒にいたりろくなイメージがないのだが、昔の恨ミシュランとかSPA!に描いてた漫画とかは好きだった。
そして多少の美化は入ってるとはいえ、この物語のなつみがサイバラ自身をモデルにしてるのだとすると、西原理恵子はやはり魅力的な人なのだと思わずにはいられない。
Godfather

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