無骨で無愛想で不器用な愛。
前に観た時は、とにかくジェルソミーナが哀れで可哀想に思えたけれど、ザンパノとの旅の途中、相変わらずな彼の態度に不満を感じながらも、彼女は時折輝いて見えた。住んでるとこしか知らないジェルソミーナを外の世界へ導いてくれたのはザンパノだし徐々にお互いを必要としている感じは伝わってくる。対称的な存在に見える二人も、実は愛に恵まれない孤独は共通している。そこには主従の関係ではない深い繋がりを感じます。
このままいけば、夫婦漫才みたいになったのに、神は試練を与える。その試練に耐えられないジェルソミーナと、そんな彼女を持て余すザンパノ。運命の残酷は容赦なく二人に降り注ぐ。
それが、この二人の役者だからこその説得力を持って胸を締め付けます。
ニーノ・ロータの哀愁あるメロディとともに心に残る名作です。