パンナ

道のパンナのレビュー・感想・評価

(1954年製作の映画)
3.9
チョコリエッタと日日是好日を見てどちらの映画にも登場していたこの映画。
とても気になったのでレンタル。

1回目見たとき、ザンパノの態度にイライラしただけだったので、もう一度見た。

ジェルソミーナは家族を養うためにザンパノに売られるんだけど、悲しそうな表情よりかはワクワクしてそうな感じで目がキラキラしてた。
どんな冒険物語が始まるのかと思いきや、ザンパノのジェルソミーナに対する扱いがひどい。殴るなんてもってのほか。
全部命令口調だし。。

ジェルソミーナのことをみんなの前で妻といい、一緒に寝た後に他の人とも寝るし、ジェルソミーナを置いていくし、自己中極まりない。逃げ出したくなる気持ちもわかる。

逃げ出して、イルマットの綱渡りをジェルソミーナが見るんだけど、ジェルソミーナがイルマットに一目惚れしたような感じがしたけど、、、笑

ある時イルマットとザンパノが喧嘩をして、ザンパノが捕まりジェルソミーナが
ザンパノと離れてこれからどうするか選択するシーンがあるんだけど、唯一このシーンが救い!
この世にあるものは全て何かの役に立っているという教えなんだけど、素晴らしいね。本当。

そのあと、ジェルソミーナはザンパノを健気に待って再会する。
このシーンから、2人は夫婦のような感じになる。
ザンパノが心から笑ってる気がするし、やってもらっているザンパノがジェルソミーナに何かをしてあげたり。
2人の会話が噛み合ってなかったのに、会話になっていたり、ハッピーエンドを期待した。


しかし、結局最後はザンパノに裏切られるのだ。本当切ないというより自業自得だと思った。
ジェルソミーナの復讐劇のような。。

なんでザンパノをジェルソミーナは選んだのか謎すぎる。
いつも優しくて愉快なイルマットといた方が良かったかもしれない。修道院にいた方が良かったかもしれない。サーカス一座に入ってたほうが良かったかもしれない。
自分は何の役にも立たないと泣いていたけど、絶対正直でまっすぐなジェルソミーナならどこでも成功したと思う。

名作と言われていて、日日是好日でも典子が「この映画を知れてよかった。号泣した」と言っていたけど、わたしには全然良さがわからなかった。
チェコリッタでちよこを置いて行かなかった先輩はザンパノではないじゃんと、チョコリエッタをまた見たくなった。
なんだかすごい残念な気持ちになった。

でも、よくよく考えたら世間様にはいい顔をして家族こそ自分の一番の味方で大切な存在をぞんざいに扱ったりしちゃう私もザンパノかもなと思った。

好きなら好きだと言いたいし、優しくしたいし、素直にいたい。イルマットみたいにみんなを肯定するように生きていたい。
パンナ

パンナ