ニーノ・ロータによるテーマ曲が哀愁をかきたてるフェリーニ往年の名作。
芸を仕込み相棒として育てながらも暴力もふるう粗暴な男と、「私がいなきゃ彼は一人になっちゃう」と言って離れない女。
現代でいえば完全にDVの構図やん!ってなるとこだけど、戦後間もない貧困を生き抜く大変さを考えると、そんな簡単なもんじゃないんだろうな。
見どころはやはりラスト。今まで知らなかった(というより、見て見ぬふりをしてきた)孤独と向き合わざるをえなくなった時のザンパノの慟哭が胸を打つ。
それにしてもジェルソミーナ役のジュリエッタ・マシーナが魅力的。決して美人ではないかもしれないけど愛嬌があり、無邪気な子供のような序盤からすっかり老け込んだ終盤まで演じられる幅広さ。彼女の存在もまた、本作が名画たる所以なんだろうなあ。