ねむ

道のねむのレビュー・感想・評価

(1954年製作の映画)
3.9
樹木希林さんの『日日是好日』を観るために予習として読んだ原作の冒頭にこの作品が出てきたので、読了してから観てみた。

前半は男と女の間に流れる川のイメージ。
(タイトル、道だけど
対岸で話して声は届くのに、その距離の分だけ心が通じ合えないあの感じ。
『私のこと少しは好き?』
大事なことはいつも異なるタイミングでやってくる。
言うまでもないと思っている気持ちが1番伝わらないこと。
大切がわからん人を、気づかない間に必死に信じたがる。

あんたと一緒にいろって言ってくれたのは、持て余した小石を置き去りにしたのは誰?今さら遅いよと思った。
でも観たあとですぐ考え直した。
遅すぎること、もう元通りには出来ないその瞬間こそが、まさにその人にとって1番のタイミングなのかもしれない。
命ってそんなつもりがあってもなくても、全てをかけて誰かに物事を教える。

後半はタイトル通り『道』のイメージになった。
余韻が想像を越える。古い映画の威力を見せつけられた。
ねむ

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