manami

道のmanamiのレビュー・感想・評価

(1954年製作の映画)
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ジェルソミーナは何歳の設定なんだろ? 芸人としての出発前に母親(たぶん母親だよね?)から「一人前なのに」って言われてたし、二十歳前後かな? でも演じてるジュリエッタマシーナという役者さんの実年齢は、それよりだいぶ上だよね? その違和感に慣れるまで、だいぶ時間がかかってしまった。
まあとにかくそのジェルソミーナ。料理などいろいろできないことが多くて、ザンパノに怒鳴られてばかりの生活を送っている。でも表情豊かで子どものように無邪気で、その辛さを感じさせない。
さらに無私な愛嬌ゆえか行く先々で出会う人々から親切にしてもらうけど、その人たちには言えない深い痛みと葛藤を実は抱いている。それを吐露することができた相手は、笑顔で接してくれる人々でなく、自分に対して「アザミのような顔だ」「役立たず」など無遠慮な言葉を投げかけてきた男。
そしてその男から与えられた言葉を、自身の心の支えにして生きていく。
「誰かの役に立ちたい」「好きな人に必要とされたい」そんな誰しもが当たり前のように持つ感情が、もつれて絡んで、鉄製の鎖のようにがんじがらめになってしまう、哀しい二人のお話。

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