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道のmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

(1954年製作の映画)
3.9
フェデリコ・フェリーニ監督の4作目で、彼を世界的に有名にした名作。
原題: La Strada( ラ・ストラーダ)(1954)

粗暴な大道旅芸人「鋼鉄の肺を持つ男」(胸に巻いた鎖を胸の力で断ち切るありきたりの芸人)のザンパノ(アンソニー・クイン)は、助手のローザが死んだので、代わりに頭の弱い妹のジェルソミーナ(ジュリエッタ・マシーナ)を安値で買い受ける。
彼女は無邪気で純粋な心を持っているが、芸の手伝いだけでなく、彼の欲情を満たす道具にもされる。
犬猫のように扱うザンパノから逃げ出そうとしていたジェルソミーナは、綱渡り芸人「イル・マット(神の道化)」(リチャード・ベイスハート)の引くヴァイオリンの哀しいメロディに引きつけられて、彼と親しくなり生きる意味を教わる。
しかし、イルマットはザンパノを怒らせてしまう…。

聖なる心を持つ女と獣のような男。相反する孤独な魂の二人が行く「道」の行き着く先は?

ラスト・シーン…。

「この世の中にあるものは何かの役にたつんだ。例えばこの石。
どれ?
どれでもいい。こんな小石でも何かの役にたっている」

アンソニー・クイン、ジュリエッタ・マシーナ、リチャード・ベイスハートの三人とも好演だが、特に、監督の奥さんであるジュリエッタ・マシーナの個性無くしてこの作品はあり得ない。
哀調を帯びたニーノ・ロータの音楽「ジェルソミーナのテーマ」も、作品と一体化し、セリフ以上に重要な役割を果たしている。
ちなみに、フェリーニ作品では同じくジュリエッタ・マシーナを主人公にした「カビリアの夜」の方が私のお薦め。
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