ユミコ

鞄を持った女のユミコのレビュー・感想・評価

鞄を持った女(1961年製作の映画)
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主人公、アイーダ(クラウディア・カルディナーレ)はシングルマザーで、子供を施設に預け、ナイトクラブで歌手として日々を繋ぐ底辺生活をしていた。そんな彼女が惚れた男、マルチェロ(コラッド・パーニ)に突然、彼女の大きな鞄とともに捨てられた。でも諦めきれず、マルチェロを追って彼の自宅へ。マルチェロは在宅していたが、これはマズイとばかりに弟のロレンツォ(ジャック・ペラン)に、あの馬鹿女を追い払ってくれと頼む。兄に似ず気立ての優しいロレンツォは、兄の言いつけ通り、兄は不在と彼女に告げる。が、彼女と会話し、かかわる中で、ロレンツォは美しいアイーダに恋心を抱いていく。ロレンツォは裕福な家のお坊ちゃんだが、まだ学生の身分だし自由になるお金など無く、叔母を騙すなどしてお小遣いを貰い、アイーダに差し出していた。
このかわいい16歳の坊やは、次第に年上のアイーダが好きになり、やがて夢中に。アイーダのほうは、気持ちはまだマルチェロにあったが、ロレンツォも気になる存在に…。


以下ネタバレ含みます ↓ ↓









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ロレンツォは、入浴もままならなかったようなアイーダのために家のお風呂を提供したり(たまたまアイーダが憧れていた「黒」のお風呂だったのでアイーダはキュンキュン❤︎ )、一張羅のヨレヨレの身なりだったアイーダに服をプレゼントしたり…。しかし全ては家の物やお金でしかなかったし、ロレンツォはまだまだ子供。結果ほとんど周囲の大人たちによって良くも悪くもアイーダをロレンツォから遠ざけた形となった。ここら辺は何とも複雑な気持ちになっちゃうところ…。
クライマックス的な位置づけの浜辺での2人のキスシーンは、ただただ美しく、しぬレベル。
その前に個人的にキュン死したのは、ロレンツォがソファーにもたれてアイーダと電話で話している時の、夢見るようなあの表情…❤︎

ラストは何とも切なくて…。
私は当初、アイーダ目線で観ていたものだけれど、途中どこからなのかロレンツォに感情移入し、そしてラストには気づけば再びアイーダの気持ちになっていた。
美しいアイーダと、かわいいロレンツォ、気の利いたBGMの数々、息を呑むほど美しいキスシーン。
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