県警対組織暴力の作品情報・感想・評価

「県警対組織暴力」に投稿された感想・評価

この頃の深作作品の疾走感は半端ない。画面が揺れ、激しく呼吸する。役者さんが発する熱量に火傷しそうだ。

ただ、仁義なき戦いシリーズとなんら変わらないのでどの作品も同じように見えてしまう。

本作も最後の籠城シーンでようやくすでに観ていたことを思い出した。

ところで‥‥私の上司も私より年下。年下上司(梅宮辰夫)がやってきて苦悩する菅原文太の気持ちが少しだけわかるような‥‥‥‥^_^

って私は呑気にやってますけどね。
細部、キャラクター、臨場感。すべてが最高。
こいつは濃いぜぇ~…。
この作品を取り上げていた映画雑誌で菅原文太氏を「野犬のごとく」と形容していたが、なるほど。
組織の「イヌ」でありながら、飼いならされず、野生を忘れず。善悪は知らぬが己の志のもと鼻息荒く生きる。他の登場人物たちもまたしかり。
男と男、漢と漢、さらに言えば雄と雄の世界である。
雄が魂で生き、魂でぶつかりあっている。
その雄成分の濃さよ。油断して観たら胃もたれするけえのう!
Kuuta

Kuutaの感想・評価

4.1
終盤の久能(菅原文太)の苦悶の表情からも、広谷(松方弘樹)との恋愛映画なんだなあと思う。立場が違う中でリスペクトもしてるんだけど、梅宮辰夫演じるエリート警察官海田の横槍が入ってどんどん噛み合わなくなっていく切なさ。

インパクトのあるタイトルに対して、久能と広谷が組織暴力サイドだが、県警サイドの海田も悪い権力者とべったりくっ付いているので、どこにも正義はないという構図。あの時代はみんなヤミ米を食べて育った。清廉潔白な人間なんていないんだから、ヤクザだって必要悪なんだと言いたくなる久能の気持ちも少し分かってしまう。

当時の東映が任侠映画を作り過ぎて兵庫県警の逆鱗に触れ、家宅捜索を受ける混乱の中、「警察目線で」との建前でこんな映画を作ってしまった。東映の反骨精神というか、矜恃が強く感じられる。

「凶器準備集合!公務執行妨害!」とチンピラ一人ずつに容疑を叫びながら張り手した挙句、「お前らなんかブタ箱に放り込んでも税金の無駄遣いじゃ!行けえ!」と結局放り出して、でも所持品のライターはちゃっかり押収する。ヤクザと癒着した久能のキャラを一発で示すオープニングが最高過ぎる。

大量の人が入り乱れる様をカメラがブレたり長回しをしたりしながら捉え続けていく。熱量が凄まじい。

「警察も極道もみんな就職の売れ残りじゃけえ」。うだつの上がらない警察官の愚痴が面白い。広谷の茶碗を洗う姿に漂う哀愁は、確かに惚れるなあ。「大原の2代目になってほしい」なんて、ストレートな告白。

「アカは死んでほしい」が連発されるギャグ感。職場に乗り込んできた奥さんに久能がボロカス言われて問答無用でブン殴る滅茶苦茶っぷりも笑った。「極道は顔で食うとるけえ!」。ズケズケとした広島弁の応酬がひたすら気持ちいい。

久能の最後の行動が、ものすごい切ないはずなのに外形的には「まともな警察官の対応」として片付けられるのが皮肉めいている。オチも鮮やか。

東宝が1973年に創価学会を描いた「人間革命」でヒットを飛ばしたのに触発され、深作欣ニ監督、笠原和夫脚本コンビは今作の後「実録・共産党」を撮ろうとしたが頓挫してしまったらしい。今作のトーンで、ぜひ見てみたかった。82点。
生え抜きの現場対インテリというよくある構造よりかは菅原文太と松方弘樹の恋愛映画という印象の方が鮮烈である。
激シブです
菅原文太筆頭に漢のかっこよさがひたすらに炸裂
途中笑える描写もみせつつ、最終的にバッチリ硬派な〆サバのような名作です
紫屋

紫屋の感想・評価

4.7
こんにちは赤ちゃん
同時に借りて見てるのが「エンドオブウォッチ」なので、こっちは日本の警察VSヤクザの話。

最近の世の中はどうも寛容さが無い。別に極道を擁護する訳では無いがね“必要悪”ってモンが昔はあったよ。繁華街を仕切ってシロート同士の喧嘩を止める親分さんとかね。

でもコレは癒着というよりも警察とヤクザが一連托生。「いよいよおっとろしいのぉ。警察は!」の広谷のセリフの通りじゃのぉ。

現場のリアルを分かってない上層部に最前線では苦労すると言う構図は深作欣二の何時ものヤツで、役者も裏方さんもみんな深作組「仁義なき戦い」だから、「徳さん」が「昌ちゃん」にならない様にするのが大変。

最後の結末。後味の悪さはもうピカイチです。もちろん褒め言葉として。
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