benno

アデュー・フィリピーヌのbennoのレビュー・感想・評価

アデュー・フィリピーヌ(1962年製作の映画)
4.7
1960年、兵役を数か月後に控えたミシェルはカメラマンの助手としてテレビ局で働いています。そしてそこで、リリアーヌとジュリエットというモデルの2人の女性と出会うことに…。 

その後ミシェルはヘマをしてテレビ局をクビに…ヴァカンスでコルシカ島へと向かいます。なんと偶然そこにはリリアーヌのジュリエットが……。

本作のストーリーは至って簡単、女性2人と男性1人の三角関係!

また、アニエス・ヴァルダの『5時から7時までのクレオ』でのパリの路上のカメラワークのよう…2人が街角を話しながら歩くシーンはとても素敵です。
やたら軽快な音楽もとってもいいです。

とにかくどうでもいいようなシーンが面白く素晴らしい!
冒頭のテレビ局のシーン…友達同士で買った車でドライブ…ミシェルの家族の食事のシーン…何度もNGで撮り直されるCM撮影…歌を歌い続ける陽気すぎるイタリア人…

そして肝心な部分を描かない!
ミシェルが夜テントを抜け出してリリアーヌと…?
道を引き返してジュリエットと…?
とうとう車の中で1人が問いただすと…ケラケラ笑って « Peut-être.»(多分ね)…怖〜っ!
思わせぶりの描き方が最高…。

この映画の中で « Faire Philippine »というフランスの遊びがあり、双子のアーモンドの実を見つけた時に、その翌日1番先に « Bonjour Philippine!»と言った方が幸せになれる…というもの。

彼女たちが朝2人同時に « Bonjour Philippine! »と言ってキャッキャとはしゃぐところはめちゃくちゃ可愛い!…巻き戻して、私も « Bonjour Philippine »と言っちゃいました…。

無駄に笑ったり、不機嫌になったり、バカ騒ぎしたり…キラキラ輝いている2人がとても素晴らしかったです。
benno

benno