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アデュー・フィリピーヌのsonozyのレビュー・感想・評価

アデュー・フィリピーヌ(1962年製作の映画)
4.0
「ヌーヴェル・ヴァーグの最も成功した作品」(フランソワ・トリュフォー)と評されたという、ジャック・ロジエの長編デビュー作。

タイトルの『アデュー・フィリピーヌ(Adieu Philippine)』="さよならフィリピーヌ"ですが、人名ではなく、フランスでは、例えば友だちとアーモンドを食べている時、一つの殻に2つの実が入っていたのを発見したら、翌日、先に「(Bonjour)Philippine!」と言った方が勝ち(何か賭けたり、いい事が起こるはず的な)という遊びがあるそうです。

今作の主人公、いつも一緒にいる仲良しガール(18歳)のリリアーヌとジュリエットが、この遊びをやるんです。
ベッドの上で、アーモンドやら食べつつダベりながら同じベッドで寝て、朝目覚めた二人がほぼ同時に「フィリピーヌ!」言い合って、大笑いしてじゃれ合うんですが、もう、おじさん的にはこのシーンだけでテンションMaxに。笑

このCuteなリリアーヌとジュリエットが、TV局の入口で見学したいモードでいた所、ミシェルというTVカメラのケーブルマン?(カメラの移動に合わせてケーブルを引っ張り回す役割)が、2人を撮影中のスタジオに入れてあげて、そこから3人で遊ぶようになり、ミシェルを気に入った2人とミシェルとの駆け引きや嫉妬..的な展開のお話。

ミシェルは2ヶ月後には兵役に行く事が決まっているという設定で、それまでのこの3人のあれこれの展開が青春度満載。

タイトルのAdieu(さよなら)の部分は、ラストシーンで分かります。

この3人のメインストーリー以外も面白かった。
●ミシェルの働くTV局では、当時は当たり前だったのか、生CMならぬ、生ドラマ撮影やってて、ケーブルマンの役割に納得。
●パチャラというおっちゃんが登場。映画製作にも関わってるようですが、冷蔵庫ショップを任されていて、そのオーナーがCMを作りたいという事で、ミシェルと彼の仲間にその制作を依頼。出たがりオーナーが出演するんですが、エスキモー風な衣装なのにネクタイを外さず、もちろん演技もメタメタで、撮影は....笑
●バカンスシーズンのコルシカ島にマルセイユから観光客のバスが到着すると、先に滞在中の人々が盛大に迎えるシーン(抱き上げたり、輪になって踊ったり...こういう習慣があったとしたら相当ウザい..)etc。笑

輸入DVDで見ましたが、日本語字幕で見てみたいです。(英語が得意なわけではないので..汗)
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