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幻魔大戦のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

幻魔大戦(1983年製作の映画)
4.0
トランシルバニア王国の第一王女ルナ姫は、親善使節として米国に向うジェット機に乗っていた。機内で、彼女は手に持った水晶の球の中にジェット機が落ちるのを見て大声をあげた。同時に機は宇宙から飛んできた物体と衝突して墜落する。空中に放りだされたルナは、宇宙のエネルギー生命、フロイの声を聞く。
フロイによれば、宇宙の破壊者、幻魔大王の死の手が銀河系に伸びており、超能力を持つ者を集めて地球を救うために戦えという。ルナはフロイによって遣わされたサイボーグ戦士ベガとともに同士を求めて飛びたった。
その頃、東京では、高校生の東丈が野球部のレギュラーからはずされ、ガールフレンドの沢川淳子にも冷たくされてクサッていた。
ある夜、丈は淳子を新宿に呼びだした。夜なのに学制服で外出した丈に、淳子は「あなたの姉の存在が大き過ぎる。暫く会わない方がいい」と話す。
ホンダ・ストリームに乗って走り去る彼女の後姿を寂しげに見送った丈は、ウサ晴らしに成人映画を観ようとして断られ、新宿ALTA附近をうろついていた。そこへ、ベガが現れ、丈を追いつめる。
周囲の通行人は石のように動かない。建築中のビルの屋上に逃げた丈は、恐怖に錯乱すると、建築資材がベガめがけて飛んでいった。これはルナが丈の超能力を調べるためにやったことで、その力は予想以上だった。
自分の力に驚く丈は、帰路、シャッターの降ろされた吉祥寺サンロード商店街で、マクドナルド・ハンバーガー・ショップの前にあったポリバケツの蓋を思うがままに飛ばしたり、友人の四郎に自分の力を見せつけた。
数日後、ルナは丈とテレパシーでコンタクトするが、友人からも孤立した彼は怯えて自分の殻の中に閉じこもる。
その原因は、丈が小さい頃から、危険を感じると姉の三千子に頼っていたことにあると悟ったルナは自己逃避をやめて自分の使命に目覚めなさいと説得する。
地球を救う戦いに参加する決意をした丈は、この途方もない話を姉にすると、彼女は疑いもなく信用し、愛の力が宇宙を救うのだと話す。幻魔は淳子に乗り移り、丈に襲いかかるが、彼はなんとか敵の攻撃をかわした。
その頃、幻魔がニューヨークを襲い、市は廃墟と化し、超能力を持った黒人少年ソニーが、警察官に乗り移った幻魔一族のザンビの謎の炎に包まれ、それがどんどん膨張していた。
その光景を呆然と見つめるルナ、ベガ、丈。そこでルナは各地の超能力者にテレパシーを送ると、サラマンダー、ヨーギンが集まり、皆の協力でソニーを救い、幻魔を追い払った。
同じ頃、東京でも幻魔が大暴れてしており、ニューヨーク同様に廃墟と化しており、吉祥寺の丈の自宅では幻魔の手下、ザメディとザンビが三千子に襲いかかっていた。
三千子はテレパシーでガスレンジに火を付け、一人を焼き殺すが、無残に殺されてしまった。
東京に戻った丈はルナたちから離れて幻魔一族と戦うが戦いに傷つき、医師のカフーに手当てを受けるが、彼こそが幻魔を代表する配下であった。
回復した丈は、超能力を持ったアサシンと少女のタオとともに、カフーを追い富士山に向った。
丈たちよりも一枚も二枚も上手のカフーは二人を冷凍にするが、その時、死んだ三千子の霊が現れ、カフーを倒す。
そして、集まって来たルナ、サラマンダー、ソニー、ヨーギンたちの力で、丈とアサシンは蘇生する。
そのとき、火口から幻魔が現れ、全員に襲いかかった。その爆発的なパワーにはね飛ばされる丈たち。
そこで、全員が輪になり、皆の力をベガに集中して立ち向かう。これには幻魔もかなわず、一瞬にして氷となって砕け散った。
役目を終えてベガは、緑の水晶球となって、手をつないで輪になったルナ、丈、ヨーギン、サラマンダー、ソニー、タオ、アサシンが、空中に上っていった。
同名SF小説のアニメ映画化。
姉の三千子やルナたち仲間の支えられ、幻魔一族と戦う中で「力は仲間への命への愛から来るもの」ということに気付き戦士として成長していく東丈の成長を軸に、壮絶な超能力バトルを絡めて描いていて、楽しめるアニメ映画。
渋くて頼れるベガ、お茶目なタオ、超能力戦士のリーダーとして成長していくルナなどのキャラクターも、魅力的。
キース・エマーソンの音楽も、カッコいい。
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