竜平

スクール・オブ・ロックの竜平のレビュー・感想・評価

スクール・オブ・ロック(2003年製作の映画)
4.0
とある落ちこぼれバンドマンがひょんなことからエリート小学校の臨時教員に、やがて巻き起こるトンデモ騒動、という話。主演ジャック・ブラック、監督リチャード・リンクレイターで贈る青春的音楽コメディ。

ずーっと見よう見ようと思ってた作品をようやく初鑑賞。ジャック・ブラックが「らしさ」満点でバンドマンの主人公を好演。やたらとやかましくて、傍から見たら変わり者で、でもなんか憎めない(と思うのは俺だけなのかな)ってな男。そんな彼が巻き起こす「んなアホな」な騒動、もとい授業。前半のテキトー具合とか最高に笑える。そこに振り回されつつ、でもなんかその場のノリについていってしまう少年少女たちのまた愛らしいこと。今の時代だとこういった内容はあまり共感を得られないのかなどうかな。いやしかし生徒たちが「ロック」のなんたるかを叩き込まれていく中で、次第に感化されたり、自身のやりたいこと、衝動なども見えてくる様は清々しい。頭で考えるのでなく音で、もっと言えば心で感じるからこその音楽の素晴らしさみたいなものがあるなと。そんでやっぱり「バンド」ってのは若者の青春模様と相性バツグンなんだよなと。劇中で出てくる洋楽ロックのあれこれに詳しくないってな人でもバッチリ楽しめるはず。

シンプルにコメディとして楽しめるのはもちろんで、例えば『天使にラブソングを…』とかにもあるような、いろいろ経てついに観客の前で披露、のシーンがやっぱり胸熱。あと個人的には「実力」やら「才能」やらの話だったり、バンド映画には付き物の「夢」と「現実」を見せられるような話だったりに更に見入ってしまったというところ。それがあるからこそ、最後のコンサートシーンでは不覚にも涙。もちろん悲しみのではなく歓喜のね。そんなこんなでスカッと楽しめる良作。
竜平

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