一夢

スクール・オブ・ロックの一夢のレビュー・感想・評価

スクール・オブ・ロック(2003年製作の映画)
5.0
人それぞれに特別な映画があるとしたら、自分にとってそれが当てはまる一本。中3で初期パンクに開眼した自分が高1の時に鑑賞して、ダメ押しでロック大好きになってしまった。

ジャック・ブラック演じる偽教師が、私立の名門小学校の生徒達の音楽の才能を見出し、彼らにロック魂を伝授するコメディ映画。オリジナル曲も素晴らしく、冒頭のライヴハウスで演奏される、AC/DC直結の骨太曲はかなり好き。

ロックに人生を捧げ、社会的にはちょっと不適合者だけど憎めない愉快なおっさん役という点で、この映画と「ハイ・フィデリティ」はジャック・ブラックの正しい使い方を心得ている。「ホリデイ」みたいな役も悪くは無いけど、やはり彼はこういう役所が上手い!上手いと言うより、これが素の姿に思える。

子供たちに嘘を吐いて、勝手に彼らを連れ回すジャック・ブラックが「大人として子供の手本となる行動をしろ!」と説教するシーンは、最初は盛大なブーメランシーンにしか思えなかったけれど、観る回数を重ねる毎に、こいつにも段々と責任感が芽生えてきたのかもなあ…と考えさせられる。

自分が一番好きなシーンはRamones(決してメジャーな選曲ではないのがまた良い)をバックに、ロックの授業、ライヴを成功させるための子供達の創意工夫、練習風景が流れる場面で、ここだけは何度観ても涙が出てしまう。ジョーイの情けないヴォーカルと、子供達のキラキラ具合が奇跡の融合を果たす、ロック映画史上で屈指の胸熱シーンだと思う。
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