とらのすけ

スクール・オブ・ロックのとらのすけのネタバレレビュー・内容・結末

スクール・オブ・ロック(2003年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

最初は主人公デューイの自分勝手さにいらいらしてたけど、生徒たちにロックを教え始めてからは見え方が変わった。最初は学校で自分の好き勝手にロックを教え始める姿にいらいらするし、素直に丸め込まれていく子供たちにもやきもきする。でも、この、ロックに対してだけは心底アツい、心からロックを愛してる姿に惹きこまれた。いやもうめちゃくちゃだけど、15人ぐらいいるクラスで、楽器を持つのは4人、コーラス3人、他はマネージャーやら照明やら警備員やら衣装やら適当に役をふって、楽器を持たない子が除け者されているみたいでかわいそうって思うけど、それに関しては子供たちの素直さというか、ひたむきさにデューイが助けられてるように見えた。なんというか、この映画で一番ダメなやつは間違いなくデューイ。でもこの、ついていきたいって思わせるものがある。めちゃくちゃなやつだけど、大好きなことに突っ走って、やりたい放題やるのがロックなのかな。デューイの生き方そのものがロックなのかな〜。最後のバンドバトルでの演奏は、完全に鳥肌もの。すぐ巻き戻してもう一回見ても鳥肌たった。子供たちもデューイもめちゃめちゃいけてる。輪に入りたいに決まってる(笑) サマー、ザック、フレディ、トミカ、ケイティが目立ってるかんじ、というかいいキャラ。最初から最後まで大きな事件も仲間割れもなく、楽しーく終わっていく映画。子供に対して、ぜーーんぶ正直に接するデューイ。まぁ考えてないだけなんだけど、あれだけロックに全力の愛を注いでる人がリーダーだから、正面から否定するし、正面から認める。ザックもトミカもローレンスも救われただろうなぁ。すごい後味の良い、幸せな余韻が残る映画だった。スクールオブロックは、バンドの名前。劇中でデューイは、「この世は大物に支配されている。ロックは大物に対抗する術だ。反抗なんだよ、大物を怒らせろ!」とのこと。それだけじゃないのは映画を見ればわかるけど、自分を縛ってるものを打ち破るのもロックなんだな。バンドを組むことはなくても、ロックな生き方をしたくなる映画。身勝手な主人公は苦手だけど、これはちょっと珍しい。