ずっと観たいと思っていた作品。
いや、これはかなり怖い。
そして期待を裏切らない秀逸な作品だった。
ジェフブリッジス、ティムロビンスという実力派2人を絶妙に配役して、社会にひっそりと潜む闇、人間が陥りやすい状況や誤解を際立たせ、恐ろしさを倍増している。
ショッキングなオープニングも去ることながら、ラストの衝撃は実に見事。
とてつもない大規模な事件の犯人が、極普通の一般人たったひとりの手で行われることが果たしてあり得るのか。しかも犯罪の規模には到底見合わない動機によって。
しかし、この作品で答えは出た。
JFケネディ暗殺に代表されるアメリカ歴史に残る謎の事件、検挙される陳腐な犯人たちはこうして作られた、と言っても過言ではない。事件を取り巻く糸がどのように絡み合って行くのかがよく解り、腑に落ちると同時に背すじがゾッとした。
解っていても私たちはしばしば外見に騙される。
忘れてはいけない。あどけない顔をした悪魔がいるって事を。