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隣人は静かに笑うのRのレビュー・感想・評価

隣人は静かに笑う(1999年製作の映画)
3.1
いきなり血まみれでふらふらと路上を歩いてる子どものドアップから始まる。何と不穏な音楽とカメラワーク。近所のおっさんマイケルがその子を見つけ、大慌てで病院に連れて行く。最初からすごい緊張感で一気に引き込まれる。こわ。子の命に別状はないことが分かり、彼の両親がおっさんにお礼を言う。彼らはマイケルのうちの向かいに住んでる隣人だったのだ。この件を通して徐々にマイケルの恋人と息子も隣人と仲良くなっていく。その後しばらくは平穏な日々だったのだが、いくつかのちょっとおかしげな出来事から、マイケルは隣人の男オリバーに疑惑を抱き始める。調べてみると、実は彼はむかし爆弾事件で逮捕されたことがあり、名前を変えていたことが分かる。ってとこから、徐々にミステリーとサスペンスが濃度を増していく。見てて面白かった点は、後半に至るまでの疑惑の追究で、それがアメリカのテロリズム研究の教授であるマイケルのパラノイアを刺激し、彼自身が混乱の中に陥っていくところ。どんどん狂乱していくので、コイツが一番おかしいんじゃないか、って感じる。後半は、マイケル主観の映像がシュールなくらい現実味を失っていって不気味なものに。果たして真実はいかに……っていうのが明らかになるきっかけとなるシーンで、ひとつめちゃんこビックリしてうお!!!って声あげてしまったとこがあって、焦りすぎてわろてもたわ! と、この辺まではなかなか面白いのだが、後半はどんどんおかしなところが目立っていって、最終的になかなか面白かった前半の出来にまでおよぶ決定的な驚愕のどんでん返しが待っています。ひとつひとつのシーンにおいては、ハラハラする部分もあるし、オチもOh myぐはーーーーってなるんやけど、その一瞬後に、いや待てよ??????ってなって、悶々と、考えれば考えるほど、えっ、それって、話うまくいきすぎじゃね??? 無理無理無理! 金も手間も相当かかるであろう壮大な計画やのに偶然狙いすぎ! 無理無理無理! ってなります。あと、マイケル演じるジェフブリッジズ、後半はしゃぎ過ぎでうるさい。こんなヒステリックにわめきまくるおっさんは確実に頭がおかしい。まぁおかしんやけど。ティムロビンスはかなり良かった。いろんな感情解釈を可能にする曖昧な表情がすばらしい。ジョーンキューザックも怖くておかしなおばさん演技ハマってるし。けど様々な良い点を考えても、全体がおかしすぎる。まーいーや90sサスペンスやし笑 あ、最後に、時代背景として面白いなーと思ったのが、このころのテロリズムって、まだ国内のみのテロリズムなんやねー。Before 9.11。この頃は、まさかあんなことがたびたび起ころうとは予想もしてなかった。
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