でしょうかな

隣人は静かに笑うのでしょうかなのレビュー・感想・評価

隣人は静かに笑う(1999年製作の映画)
3.5
大学でアメリカのテロリズムを教えている主人公は、家の前で血まみれで歩く少年を助ける。少年は隣人の息子で、それを切っ掛けに二つの家族は親しくなるが、主人公は隣人の正体に疑いを持つ。

同時多発テロ以前、アメリカが極右という「内なる敵」の脅威を恐れていた頃の作品。劇中でも、現実のオクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件やルビーリッジ事件を思わせる出来事が登場する。そうした時代性を踏まえて観た方がいいだろう。
気分を盛り上げるオープニングに比較すると前半は(伏線を張っているとはいえ)緩慢で退屈な雰囲気だが、中盤、主人公を襲った不幸な出来事から再び緊張感が増し、最後まで気分を持っていけた。
ただ、後味の悪いラスト自体はまだいいが、そこまでの流れが強引で、「主人公が不用意すぎる」「FBIが無能すぎる」「敵対組織が有能すぎる」という、「都合が良く都合が悪い」話になっていたのが残念。特に最後のは展開に大きく影響していたのと、本作に影響を与えた現実の事件が基本的にローンウルフ型だったことを考えると微妙にズレているので気になってしまった。
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