えり子

大人は判ってくれないのえり子のレビュー・感想・評価

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)
3.9
悪童日記、不良少年の半生と最初は思ったけど、いいところ、素直なところもあるのよね。混乱する。
親がなんだかなあ。特に母親ね。年中怒って不機嫌でおまけに不倫までして。我が子を愛していないのね。
実の父は嘘をついた息子に往復びんた、とにかく三回位、アントワーヌはビンタを食らう。父親、教師に。
主役のジャン、ピエール、レオーは出ずっぱりでした。
たまに真剣な場面なのに笑いをこらえている感じがして、にこやかに撮影されたのだとおもった。
トリュフォー27歳。自伝的作品だという。
鑑別所の女性指揮官が、アントワーヌに「女性を知っている?」と聞いた。まだ子供なのに、ところが、何度も女性との接触を試みたと彼が答えるたのにはもっと驚いた。
ませているのね。
母親が息子を「この子が好きなのは映画だけなんです」と言う。
私もまあそうなので主人公に共感しました。
鑑別所を脱走したアントワーヌが走って走って、海辺にきてこちらを向く。大写しの画面で終わり。有名なシーンでした。アンリ、ドカエの撮影。冬のフランスの風景を見事に映像化した。
ゴダールも亡くなってヌーベルバーグの監督はみんな、いなくなった。
トリュフォーが息子のように可愛がったというジャン、ピエール、レオー。長生きしてほしいわ。

ゴダールも亡くなって、ヌーベルバーグで今も生きている
えり子

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