2回目の鑑賞。
高校時代に救われた思い出の作品。映画館で観られて幸せだった。
前半のコミカルさはいつ観ても微笑ましいし、ルネが匿ってくれた部屋で自宅のパンをこっそり食べたり、2人で急いで映画に向かうシーンなんかニコニコが止まらない。🥖
そんな学園コメディみたいな展開が続くかと思いきや、要所要所で挿入される親からのネグレクトで現実に引き戻される。アントワーヌは、寂しさと幼さを封じ込められて、無理矢理成熟させられたように見えて仕方なかった。
あの有名な「母が死にました」のシーンも、彼なりの最大限の復讐だったんだろうね。
子どもは、愛が欲しいって、親に言わないで誰に言えばいいの
(でも鑑別所を「海の近くにして」って言ったオカンも悪い人とは言い切れないんだよなぁ...不器用って生きづらい)
親から避けられ、鑑別所を抜け出し、アントワーヌは走る。走る。走る。
常にまわりからの疑念と拒絶が隣り合わせだった彼。環境からの逸脱が原動力である内は、平和にボケることなく、きっと何かを探し続け、生み出し続けると思う。
彼の非行は「構って欲しい」っていう親への甘え。それを気付けないのが親のさがなのかもね。大人は判ってくれない。彼の寂しさも、甘えも、親へのほんのちょっとの期待も。
そしてそんなすべてを、最後の波が洗い流してくれる。