もやし

大人は判ってくれないのもやしのレビュー・感想・評価

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)
4.8
名監督の名作を。

最初は微笑ましく見てたけど、徐々に状況は悪化して、どうしようもない現実に打ちのめされる。
なんか音楽もポップだし作りに余裕を感じるからつい勘違いしてしまった。
監督自身の幼少期を描いたということで、この後ちゃんと大人になって名監督になったんだから、この辛い幼少期があってのことなんだろうから、ね。この頃から映画鑑賞だけは大好きだったというのだから、良いね。


大人との微妙な噛み合わなさを何度も感じるね。
教師の分からず屋感とか、喧嘩ばかりの両親の感じとか、ヒリヒリ伝わってくる。

あと教師も親も、平気で子供ぶん殴るところは時代を感じる。


母親が妙に色気あるなと思ったらやっぱり浮気してるし…



苦悩だらけの主人公だけど、友達との感じとか、学校サボって遊んだりとか、正直結構楽しそうにも見えた。

色々現実を容赦なく見せられるからか、皆年齢の割に大人だよなあ。
視点が驚くほど鋭い。
大人が子供を子供扱いしないからというのもあるのかな?



なんかどの時代も、色々あるなあと改めて思わされる。
でもネットがないっていうのはとても明確な違いだよなあ。皆ちゃんと自分の経験から人生観を作り上げてるのが伝わってくる。



色々暗いこと書きましたが、とても面白い映画でした。
結構笑えるシーンもあります。
もやし

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