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紅の豚のtyapiokaのレビュー・感想・評価

紅の豚(1992年製作の映画)
3.9
記録整理。この見た目でカッコいいのはズルい。哀愁もあって大人のジブリ。
2021.06.19
タイトルがいい。最初バトルではじまるため、ワクワク。しかし、敵がそこまで悪でないため、そこが主軸ではないのだろう。戦争の余韻というか、戦争やっているわけではないというのが意外に軸なのかも。空賊が空を飛ぶ様が楽しげだ。一方はじめからボロボロの豚はどこか寂しげで時代に取り残されているようなイメージ。魔法というどこか大昔のイメージに縛られているのも。新調せず古い飛行艇を使い続けるのも。だからこそ、フィオという新時代との出会いが光るのだろう。女で若いけれど、帰りを待つだけの存在ではない。男が死んでしまった時代とも言えるかもしれない。初飛行を朝焼けにする演出も、プロペラの迫力や音もさりげないがよい。雲の平原のシーンは特に凄さを感じた。監督が豚に自身を投影しているというのは少し知りたくない情報だった。「手を出すなよ」「カッコイイ」という台詞やキスがいやらしくなってしまう。終わり方、すごく余韻がるけど考察で賭けの結果を知ってしまい、少し悲しい。
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